消費生活においては、ものを買ったり、サービスを受けたりという契約行為が発生しますが、その販売形態には、 1. 消費者が自らの意思で販売店に出向いて商品を購入する(サービスを受ける)「店舗販売」 2. 業者の方から消費者宅へ商品を売り込みに行く「訪問販売」 3. 業者が発信する広告を見た消費者が、電話、郵送、ファックス、インターネットなどで注文する「通 信販売」 4. 業者が消費者宅に電話をかけ、商品やサービスの紹介、勧誘し契約に導く「電話勧誘販売」 5. 商品を買って会員になり、自らが販売活動に加わることで組織を拡大していく「連鎖販売取引」 1.「店舗販売」には、消費者が自由に店内を歩き、自分の目で、また手に取って商品を確かめることができるという最大の利点があります。事前にある程度の商品知識や購入意思をもって、販売店に出向くのが一般 的ですから、消費者主導の販売形態といえます。そのかわり店舗販売では、いったん売買契約が成立すると、一方的に契約を解除することはできません。 2.「訪問販売」はセールスマンが消費者宅に訪問し、その場で商品説明、契約、販売を行います。消費者は商品を手に取って確かめたり、あるいはカタログなどを見ながら、セールスマンから納得の行くまでマンツー・マンで商品説明を受けることができます。セールスマンの訪問と消費者の真のニーズがタイミングよく合致すれば、消費者は居ながらにして満足のいく買い物をすることができるでしょう。 しかし、セールスマンの突然の訪問で、消費者は商品知識も購入意思もないままに、短時間で少ない品揃えの中から商品選択を迫られるという立場に置かれることも事実です。こうしたとっさの対応に慣れていない場合や、セールスマンの勧誘が強引だったりすると、トラブルが発生しやすくなります。 消費者が、つい申し込んだり、契約してしまい、後で考えたら必要のないものだったなどという時、書面 を受け取った日からかぞえて8日以内であれば、書面により申込みの撤回や契約の解除をすることができます。これを「クーリング・オフ」といい、「特定商取引法」で規制しています。 なお、キャッチセールス、アポイントメント商法、SF商法などのように、販売目的を告げないまま営業所や喫茶店、特設会場に同行させ契約を迫る場合も、ここでは「訪問販売」に含めます。 3.「通信販売」は業者の発信した広告を見た消費者が、通 信手段を使って申し込み、契約をする取引で、売り手と買い手に距離があるのが特徴です。広告媒体には、新聞、雑誌、テレビ、インターネット、カタログ、パンフレット、チラシ、ダイレクトメールなどがあり、ありとあらゆる商品が扱われています。インターネットなどでは24時間申込みができ、消費者は時間を気にすることなく買い物が可能です。 1や2では商品や売り手の顔を見ることができましたが、「通信販売」では広告だけがたよりです。そこで消費者が安心して買い物ができるようにと、「特定商取引法」(通信販売もこの法律を適用します)では通信販売における広告表示を次のように定めています。 ・販売価格 ・送料 ・代金の支払い時期と方法 ・商品等の引き渡し時期 ・商品等の返品の可否と条件 ・販売業者名(代表責任者名) ・住所 ・電話番号 「商品は届いたがイメージと違った」というような失敗もありがちです。こうした時、返品や交換ができれば助かります。「代金を前払いしたのに商品が届かない」「販売業者と連絡が取れなくなった」などのトラブルも増えています。なるべく前払いは避けた方が無難です。また、住所が私書箱、局留めのみの表示だったり、電話番号が携帯電話番号しか記載されていない販売業者には注意したいものです。 4.「電話勧誘販売」は、業者が電話で商品やサービスの紹介、勧誘することにより契約を取る商法です。 「職場や自宅に電話があり、上司の推薦で選ばれたからと資格講座の受講を勧められた」というケースでは、不意打ち性に加え内容はセールストークを理解するしかなく、契約意思が形成されない状態では、ともすれば強引な勧誘にもなりかねません。「ハイ、ハイ」「結構です」とあいまいな返事をしていたら、契約成立とすごまれたなどのトラブルが急増しました。現在は、「特定商取引法」で契約内容を記載した書面 交付や、事業者の氏名、名称、商品等の種類の明示、執拗な勧誘、8日間のクーリング・オフがあることなどを明示することなどの規制がされています。 5.「連鎖販売取引」いわゆる“マルチ商法”は、商品を買って会員になり、自らが販売員として、友人知人を勧誘して利益を上げるというピラミッド型の販売形態です。会員を増やすことに躍起になるあまり、強引な勧誘が行われやすくなります。「特定商取引法」では、誘われる人が、取引の内容を十分に理解したうえで取引するかどうかを決めることができるよう、次のような規制が設けられています。 ・ 「必ずもうかる」などと、嘘のセールストークで勧誘したり、威かすなど不当な勧誘をしてはならない。 ・ クーリング・オフなど重要な事項については、契約前にその事実を告げなければならない。 ・ 取引のシステムなどについての概要を記載した書面(概要書面 )と、契約内容を明らかにする書面を渡さなければならない。 ・ クーリング・オフ期間は、書面交付の日から20日間、ただし再販売取引の場合には、書面 交付の日または商品が届いた日の遅いほうの日から20日間。 ・ 事実でないことを言って販売活動をしたとき、および書面の交付をしなかったときは処罰の対象となる。 このように多様化、複雑化する販売形態を消費者が認識し、必要に応じ適切に選択できれば、快適な消費生活を送ることができるでしょう。
1.「店舗販売」には、消費者が自由に店内を歩き、自分の目で、また手に取って商品を確かめることができるという最大の利点があります。事前にある程度の商品知識や購入意思をもって、販売店に出向くのが一般 的ですから、消費者主導の販売形態といえます。そのかわり店舗販売では、いったん売買契約が成立すると、一方的に契約を解除することはできません。 2.「訪問販売」はセールスマンが消費者宅に訪問し、その場で商品説明、契約、販売を行います。消費者は商品を手に取って確かめたり、あるいはカタログなどを見ながら、セールスマンから納得の行くまでマンツー・マンで商品説明を受けることができます。セールスマンの訪問と消費者の真のニーズがタイミングよく合致すれば、消費者は居ながらにして満足のいく買い物をすることができるでしょう。 しかし、セールスマンの突然の訪問で、消費者は商品知識も購入意思もないままに、短時間で少ない品揃えの中から商品選択を迫られるという立場に置かれることも事実です。こうしたとっさの対応に慣れていない場合や、セールスマンの勧誘が強引だったりすると、トラブルが発生しやすくなります。 消費者が、つい申し込んだり、契約してしまい、後で考えたら必要のないものだったなどという時、書面 を受け取った日からかぞえて8日以内であれば、書面により申込みの撤回や契約の解除をすることができます。これを「クーリング・オフ」といい、「特定商取引法」で規制しています。 なお、キャッチセールス、アポイントメント商法、SF商法などのように、販売目的を告げないまま営業所や喫茶店、特設会場に同行させ契約を迫る場合も、ここでは「訪問販売」に含めます。 3.「通信販売」は業者の発信した広告を見た消費者が、通 信手段を使って申し込み、契約をする取引で、売り手と買い手に距離があるのが特徴です。広告媒体には、新聞、雑誌、テレビ、インターネット、カタログ、パンフレット、チラシ、ダイレクトメールなどがあり、ありとあらゆる商品が扱われています。インターネットなどでは24時間申込みができ、消費者は時間を気にすることなく買い物が可能です。 1や2では商品や売り手の顔を見ることができましたが、「通信販売」では広告だけがたよりです。そこで消費者が安心して買い物ができるようにと、「特定商取引法」(通信販売もこの法律を適用します)では通信販売における広告表示を次のように定めています。 ・販売価格 ・送料 ・代金の支払い時期と方法 ・商品等の引き渡し時期 ・商品等の返品の可否と条件 ・販売業者名(代表責任者名) ・住所 ・電話番号 「商品は届いたがイメージと違った」というような失敗もありがちです。こうした時、返品や交換ができれば助かります。「代金を前払いしたのに商品が届かない」「販売業者と連絡が取れなくなった」などのトラブルも増えています。なるべく前払いは避けた方が無難です。また、住所が私書箱、局留めのみの表示だったり、電話番号が携帯電話番号しか記載されていない販売業者には注意したいものです。 4.「電話勧誘販売」は、業者が電話で商品やサービスの紹介、勧誘することにより契約を取る商法です。 「職場や自宅に電話があり、上司の推薦で選ばれたからと資格講座の受講を勧められた」というケースでは、不意打ち性に加え内容はセールストークを理解するしかなく、契約意思が形成されない状態では、ともすれば強引な勧誘にもなりかねません。「ハイ、ハイ」「結構です」とあいまいな返事をしていたら、契約成立とすごまれたなどのトラブルが急増しました。現在は、「特定商取引法」で契約内容を記載した書面 交付や、事業者の氏名、名称、商品等の種類の明示、執拗な勧誘、8日間のクーリング・オフがあることなどを明示することなどの規制がされています。 5.「連鎖販売取引」いわゆる“マルチ商法”は、商品を買って会員になり、自らが販売員として、友人知人を勧誘して利益を上げるというピラミッド型の販売形態です。会員を増やすことに躍起になるあまり、強引な勧誘が行われやすくなります。「特定商取引法」では、誘われる人が、取引の内容を十分に理解したうえで取引するかどうかを決めることができるよう、次のような規制が設けられています。